「宣伝0001」 宣伝文 『メルトダウン 金融溶解』(トーマス・ウッズ著、副島隆彦監訳、解説、古村治彦訳、ロン・ポール序文、成甲書房)発売決定! 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2009年7月25日 ※2009年7月29日に加筆しました

 

 ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」管理人の古村治彦(ふるむらはるひこ)です。今回は論文ではなく、宣伝を掲載いたします。読者の皆様には、ご寛恕くださいますよう、よろしくお願い申し上げます。

 今回、宣伝をいたしますのは、副島隆彦(そえじまたかひこ)先生が監訳と解説をなさいました、最新刊『メルトダウン 金融溶解』です。私、古村が翻訳をいたしました。今回の本は、アメリカにおいてベストセラーとなりました、Thomas E. Woods Jr. Meltdown: A Free-Market Look at Why the Stock Market Collapsed, the Economy Tanked, and Government Bailouts Will Make Things Worse(Washington D.C., Regency Publishing, Inc. 2009)を翻訳したものです。著者であるトーマス・ウッズの本の初めての邦語訳です。

著者のトーマス・ウッズ

 書店での店頭販売は2009年7月31日からとなります。インターネット上の書籍販売サイト(「アマゾン」http://www.amazon.co.jpなど)では、既に予約販売を開始しております。また、本サイトの兄弟ウェブサイトである「「副島隆彦の学問道場」書籍頒布サービスでも、来週から取り扱いが開始されます。お買い上げのほど、よろしくお願い申し上げます。※アマゾンでの予約販売で、カテゴリー別で1位を獲得しました。ありがとうございます。今後ともよろしくお願いします。

 今回の翻訳プロジェクトは、4月初旬にスタートしました。まず、古村が約1カ月の期間をかけて、原文180ページ(脚注を含む)を翻訳しました。その後、副島隆彦先生が、内容と翻訳を精査されました。また、副島先生が、前書き(「はじめに」)と後書き(「訳者解説」)を書かれました。後書きには私も文案を提出し、その中からいくつかの部分を認めて採用していただきました。この作業が6月末ごろまで続きました。そして、このたび、完成し、出版の運びとなりました。

 先月、本サイトに掲載している論文「0035」 で、『メルトダウン 金融溶解』について、アメリカのマスコミでなされた書評記事を訳出しております。こちらもぜひお読みください。

 『メルトダウン』の大事な部分は、「昨年から世界中を苦しめている金融危機を引き起こしたのは、連邦準備制度(Federal Reserve System)である。中央銀行制度がある限り、これからもバブルが発生し、人々を苦しめる」という主張です。連邦準備制度の行った、低金利政策と通貨供給量の増大政策によって、ドル紙幣がじゃぶじゃぶと刷り散らかされました。その結果、市場にお金が溢れかえり、バブル経済となり、投機が促進されました。

連邦準備制度ビル

 サブプライムローンなど、冷静に考えれば破たんすることは目に見えていました。そのサブプライムローンを組み込んだ金融商品(MBS)や、企業の貸倒引当金を担保とした金融商品(CDS)など、リスクを無視した投機的な商品が世界中に販売されました。それらは大きな利益を上げていました。しかし、バブルが崩壊し、それらが大きな負債となってしまいました。現在、多くの人々が経済不況に苦しみ、金融危機の出口は見えない状況です。

 『メルトダウン 金融溶解』で、著者のトーマス・ウッズは、今回の国際金融危機について、オーストリア学派の景気循環理論を使いながら、分かりやすく説明しています。バブル発生のメカニズム、オーストリア学派の理論など、幅広い知識を得ることができます。

 また、アメリカで若者の圧倒的支持を受けている、リバータリアン政治家、ロン・ポールが序文を寄せています。日本でロン・ポールの文章が活字となったのは初めてのことだと思います。この点も、『メルトダウン 金融溶解』の持つ素晴らしい点だと思います。

 『メルトダウン 金融溶解』をぜひ、手にとってお読みくださるように、よろしくお願い申し上げます。

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『メルトダウン 金融溶解』目次

[はじめに] なぜ、金融はメルトダウンした(溶けて流れた)のか 副島隆彦

[本書を押す] 残念ながら経済危機はまだ続いている ロン・ポール

[第一章] 重要なのに無視され続けた問題

      金融恐慌の根本原因を探る
      より大きな救済策、より厳しい規制、より大きな政府
      「支出によって経済を回復する」という迷信
      アメリカ経済を破壊するのは連邦準備制度だ

[第二章] 連邦政府はいかにして住宅バブルを生み出したか

      金融恐慌の真犯人を見つけた
      二〇〇六年、すでに大変な状況が到来していた
      恐慌の犯人その1=ファニーメイとフレディマック
      恐慌の犯人その2=地域再投資法と貸付時の積極的差別是正措      置
      恐慌の犯人その3=政府の誘導による投機
      恐慌の犯人その4=住宅取得優遇税制
      恐慌の犯人その5=連邦準備制度と意図的な低金利
      「より広範な規制」が最善策なのだろうか
      恐慌の犯人その6=「大きすぎて潰せない」という迷信
      果たしてどんな未来が待ち受けているのか

[第三章] ウォール街への大規模救済策

      ポールソン財務長官とバーナンキFRB議長の大罪
      救済策はこうして開始された
      「大きすぎて潰せない」とは「生かしておくには大きすぎる」
      「不良債権救済プログラム」は政府による金融資産の強制収容
      「空売りは反愛国的行為だ」と叫ぶ政府の意図
      モラル・ハザードを助長する救済策
      問題は「規制緩和」でも「規制強化」でもない
      金融恐慌下でも資金調達は機能していた
      「とりあえず何かやれ!」の大合唱
      銀行の国有化でチャベス大統領よりも左傾化するアメリカ
      国民からの略奪物、それが救済策の適用
      国債や借入金の支払期限が来た時に何かが起きる

[第四章] 政府が原因となるバブル景気とその崩壊のサイクル

      真に理解すべきは「景気循環=ビジネス・サイクル」
      経営者たちに襲いかかる「過ちの束」
      「金利とは、お金につく値段である」
      連邦準備制度が介入してもたらされる「実体なき経済」
      「好景気は永遠に続く」というケインズの幻想
      「景気循環理論」を改めておさらいする
      持ちこたえれば持ちこたえるほど、傷は大きく深くなる
      公共事業による景気刺激という愚行
      ITバブルの崩壊は何よりの実例である
      「二〇年不況」を生んだ日本のバブル崩壊を考える
      オーストリア学派の景気循環理論が意味するもの

[第五章] 大恐慌についての神話

      大恐慌を長引かせたのはニューディール政策だった
      連邦準備制度創設以前のバブル景気とバブル崩壊
      忘れ去られてしまった一九二〇年の恐慌
      大恐慌の襲来を予測したオーストリア学派
      フーバーは自由放任主義者ではなかった―それこそが問題だった
      ルーズベルトはこうして大恐慌を長引かせた
      「戦争が好景気をもたらす」という陳腐な神話
      「大恐慌」と「日本の二〇年不況」を教訓とする

[第六章] 通貨という正体不明の生き物について

      通貨にまつわる神話を覆す
      通貨はどのように生まれるのか
      ただの紙切れが紙幣となるカラクリ
      なぜ金と銀が通貨となるのか
      そして連邦準備制度が誕生した
      インフレーションとは何か?なぜインフレーションは悪なのか      ?
      物価が上昇する本当の原因とは
      デフレーションは「結果」であって「原因ではない」
      人工的に通貨を作り出すことの問題点
      金の使用に反対する主張、その間違いの数々
      ・金と銀は柔軟性が十分ではない。もっと柔軟性に富んだ通貨       が必要だ
      ・貴金属は大きくてかさばり、使いにくい
      ・金本位制はコストがかかり過ぎる。紙幣は製造するのにコス       トがかからない
      ・現代経済の取引すべてをまかなうには金と銀の量が足りない
      ・金の供給量の増加は、経済活動の活発化についていけない

[第七章] 今なすべきことは何か?

      「アメリカを愛するなら消費せよ」という戯言
      「GDP=国内総生産」は虚妄のデータである
      ケインズがまるで誤解していた「セーの法則」
      生産的支出と消費的支出、これだけの相違点
      私たちが緊急になすべきことを列記する
      ・大企業や銀行を倒産させる
      ・ファニーメイとフレディマックを廃止する
      ・救済策を止め、政府支出を削減する
      ・政府による通貨の操作を止める
      ・連邦準備制度についてきちんと議論する
      ・特別な貸出し窓口を閉鎖する
      ・通貨の独占を止める
      オーストリア学派は私たちに警告してくれていたのに

[あとがき] さらに読み進めたい読者のために

[脚注一覧]

[訳者解説] 副島隆彦/古村治彦

※「副島隆彦の学問道場」の書籍頒布サービスで発売中です。

(おわり)