「145」 論文 津波TSUNAMIとは「潮」である―タイダル・ウェイヴTidal Wave「潮波」(しおなみ)(2) 鴨川光(かもがわひろし)筆 2011年6月26日

●白装束集団現る

 「おい!小池!」という指名手配の写真がありましたが、以下のような白装束集団を二〇キロ圏内で見かけたら、相当怪しい。白装束で有名なある宗教団体なんかよりも、はるかに怪しい(あの団体は何も悪いことをやっていない)。直ちに捕まえましょう。(捕まえてみたら、一時帰宅者だった。「おい、重装備で帰宅したら捕まっちまったよ!」なんてことになったら、悲喜劇)


防護服姿で福島第1原発の「警戒区域」内の捜索活動に向かう警視庁の捜索隊=八日午前、福島県浪江町

 地球の重力圏を越えて、月に行こうと思えば、強烈な宇宙線(エックス線、放射線、同じもの)にやられてしまう。それだからあの重装備の宇宙服がある。一時帰宅者はあのくらいに装備しなくては、放射線にやられてしまうはずなのだが。(それ程に放射線、放射能の量が高ければと仮定したらの話だが。)


 五月二六日現在、一時帰宅者の装備はこのようになっている。これは、学校の給食係の格好ではないのか?(弁当屋さんの従業員もこの格好だ。O―157、ノロ・ウィルス、サルモネラ菌などの対策で、放射線ではない。)


 放射線にはやはりお馴染みのこれでなくっちゃ。放射線を快適に過ごせません。宇宙船を脱出して、宇宙線を浴びるにはこれくらいしないと。冬も過ごせます。女性にお勧め。(外宇宙ではこれでも無駄ですけど。)


 そうでなければ、これ。政治家の方はこれぐらいしないと。いざ出陣。


 さもなければ、各々好きな格好で。これで大丈夫。

 二〇一一年五月九日。福島第一原発から半径二〇キロ圏内に住む住民たちの一時帰宅が始まりました。川内村の警戒区域内に自宅のある一二三世帯二七〇人に、各二時間以内の一時帰宅が許されたそうです。

 その時の様子です。

 
これは演習風景

●放射線はどのような防護服も本当は無駄―風邪にマスクも同じ

 私は放射線に対しては、どのような防護服も無駄だと思っている。それでも放射線の弱い場所で相当の重装備でやれば、人体に対しては無害なレベルでは守れると思う。こうした防護服はせいぜい放射線ではなく、放射能に汚染された空気、水蒸気、地理などに対しての防護の役割を果たしているのであろう。

 それでもこの光景は問題だと思う。重装備であるが、顔の部分に隙間がある。これでは花粉ですら入ってくる。ウイルスだったらなおさら。よくウイルスやばい菌を防ぐために、マスクをつけている人を見るが、馬鹿ではないかと思う。その時点でモラル(マスクは人の面前では失礼この上がなく、回りからは、「こいつ馬鹿だ」と思われている)と常識ばかりではなく、知的レベルも低いことを露呈している。

 ウイルスをマスクで完全に防御することは不可能。完全に口と鼻をふさぐしかない。医者が手術する時のマスクをかければ防げるであろう。それでも、一般に売られているマスクというのは、塵(ちり)・埃(こほり)を防ぐためあるのだと考えればいい。塵(ちり)にウイルス、ばい菌、バクテリアがたくさんついているからである。

 原子レベルの粒子を防ぐのは、当然不可能である。エックス線や放射線がどのような小さな粒子なのかは知らないが、原子核が東京ドームのマウンドに置かれたボールの大きさであるとするならば、マスクの網の目は東京ドームの直径であり、その外に浮かんでいる塵が電子であるというのを子供のころきいたことがある。

 こうした極小粒子の大きさがどの程度のものか知らないが、人体を貫通する放射線を防ぐ防護服というのを私は信じていない。放射線がかなり弱い場所で、ある程度有効に作用しているものとしか思えない。いや、先に書いたように、放射能の影響を受けたもの(放射線の影響によって変質した物質)を防ぐレベルなのだと思う。セシウムとかヨウ素であろう。

 上の写真では分かりにくいが、バスに乗り込んだ一時帰宅者の顔面防護の仕方を見ると、明らかに目を防護しているところの周辺に隙間があった。

 枝野官房長官が半径二〇キロメートル内の被災地を訪問した時の画像には、枝野氏だけが防護マスクを使っていて、訪問地域の人たちは使い捨ての不織布を使っていることを指摘しているものがあった。


枝野官房長官 防護服姿

●原子炉を廃炉にするといった枝野氏

 枝野官房長官に関しては、今回の一連の会見の様子を見る限り、自分の言葉で話しているという印象がある。顔つきなどの様子を見ても、かなりまともに働いている印象がする。

 「福島原発を廃炉にする」と日本の主たる現役の政治家、現職の行政府の中心にいる人間が公式に発言したのは初めてではないのか。この言葉を三月の半ばに聞いたとき、目の前がパッと明るくなったように感じた。その他、枝野氏のこの二ヶ月にわたる公式な発言の中には、まともな、一般的感覚のものが多いように感じる。必死に抵抗している感触を受けるのだが。

 枝野氏は、日本の電気利権者や外国勢力にいずれや叩き落されるであろう。それを覚悟で国民のために戦って欲しいのだが。国民は見ている。

 しかし、枝野氏の防護服以上にすごかったのは岡田官房長官である。

(つづく)