「宣伝文0004」 『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』(アダム・レボー著、副島隆彦=監訳・解説、古村治彦=訳、2010年4月、成甲書房)が発売されて1カ月がたちました。 古村治彦(ふるむらはるひこ)筆 2010年5月19日
『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』
ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」管理人の古村治彦です。副島隆彦先生が監訳。解説、私、古村が翻訳をしました『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』が発売されて約1カ月が経ちました。本日、5月19日日には、毎日新聞朝刊の第2面に紙面の4分の1の大きさの広告も出されました。
◆毎日新聞に掲載された宣伝は、こちらからどうぞ。
私もこれまで宣伝に努めてまいりましたが、なお一層の宣伝努力を行うために以下に、本書『バーナード・マドフ事件』がお求めになれるサイト、書評が掲載されているサイトなどをまとめてご紹介いたします。
・ウェブサイト「副島隆彦の学問道場」内の「今日のぼやき」に掲載された中田安彦氏による書評は、こちらからどうぞ。「1122」番です。
・ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」に掲載した海外紙による書評の数々は、こちらからどうぞ
・出版社成甲書房のウェブサイト(本書をお求めいただけます)は、こちらからどうぞ
また、私が個人として運営しております、ブログ「古村治彦の酔生夢死日記」に掲載しました文章(2010年5月19日付)をこちらに転載し、宣伝といたします。
(転載貼り付けはじめ)
鬼たちが大海原を越えてやって来ているぞ
昨日、今日と『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』の広告を展開しております。「1か月も前に出した本の宣伝ばかりやりやがって見苦しい」と思われている方も多くいらっしゃると思います。
確かにそうなのですが、私はこの本が皆さまのお役に立つという思いで、見苦しいと思われることは覚悟の上で宣伝活動をしております。
以下に朝日新聞の記事、2本転載貼り付けをいたしました。それぞれの記事の中に「バーナード・マドフ事件」という単語が入っております。しかし、この事件がどのような事件であったのか、朝日新聞の記者の方は私たちに教えてはくれません。
そして、もっと重要なのは記事の中身です。1本目の記事は、シティのプライベートバンクが米国から新興市場に重点を移すということを報じているのですが、その理由が凄まじい。「バーナード・マドフ事件によって、富裕層向け資産運用業界は信用を失墜させた」というのです。それでアメリカから新興市場へということなのです。
これは簡単に言うと、「アメリカでは、マドフのせいでお客さんがいなくなったから、事件のことは知らないアジアに行けば良いや」ということなのです。アジア人、日本人を騙しに鬼がアメリカからやって来ているのです。彼らに騙さないためには、マドフ事件のことを知っておくこと、これが何よりの自衛策になるのは明白です。
次の記事では、SEC(米証券取引委員会)が金融機関に対する調査を強化するとあります。これも「バーナード・マドフ事件によってSECに対する信頼が損なわれたので、それを回復する」ためということになっています。しかし、このような規制や調査の強化を行うと、1本目の記事のように、アメリカから逃げ出して他国に向かおうとするのです。
バーナード・マドフ事件はただの詐欺事件ではないのです。アメリカの金融業界にいまだに深い傷を残しているのです。そして、そのくびきから脱するために、アメリカからアジアへ、日本へ、鬼たちがやってこようとしています。
『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』をどうぞよろしくお願いいたします。
◆お求めはこちらからどうぞ。
↓成甲書房ウェブサイト↓
http://www.seikoshobo.co.jp/
(新聞記事転載貼り付けはじめ)
「シティのプライベートバンク部門、米国から新興市場に重点移す」
2010年2月16日付 朝日新聞電子版
[ロンドン 15日 ロイター] シティグループのプライベートバンク部門責任者、ジェーン・フレーザー氏は12日、ロイターのインタビューに答え、同社の富裕層向け資産運用ビジネスで、今後は新興市場が米国の伸びを大幅に上回るとの見通しを示した。
シティの富裕層向けビジネスの預かり資産では、米州地域のシェアが現在半分近くを占めているが、これが5年以内に3分の1に減る見通し。同地域のビジネスでは、中程度の富裕層ではなく資産規模が最低2500万ドルの超富裕顧客に焦点を絞っている。
フレーザー氏は「プライベートバンクというと、木目調のスイスのオフィスを思い浮かべがちだが、そのモデルが覆されたと思う」と指摘。「業界全体にわたり、われわれは顧客の信用を再び勝ち取る必要がある」と話した。
顧客資産の大幅な損失や、銀行の秘密主義への風当たりの強まり、バーナード・マドフ事件などの巨額詐欺事件により、富裕層向け資産運用業界の評判は傷付いた。
フレーザー氏によると、シティの顧客数は一時減少したが、過去12カ月間では増加した。
今後の狙いはシティの収益におけるプライベートバンク部門のシェアを増やすことで、UBSやメリルリンチからシェアを奪いたいという。
コンサルタント・グループ、スコーピオ・パートナーシップによると、シティは約1兆3000億ドルの富裕層資産を運用しており、プライベートバンク業務で世界第3位。ただ、これはシティが運用する富裕層の資産すべてを含んだ数字。フレーザー氏によると、プライベートバンク部門だけの資産運用額はもっと少ない。
<スリム化>
シティは米州を中心に富裕層向け資産運用ビジネスを展開しており、米州が資産と顧客の半分近くを占め、アジアは約30%。しかしアジアの割合は増える見通しだ。
フレーザー氏は「大きな成長が期待できるのはアジアだ。現在、(顧客との)活発な会話が交わされているのもアジアだ」と言う。
シティは金融危機を受け、非中核部門の資産売却と事業スリム化に取り組んだ。フレーザー氏はこの改革の主要な立案者で、25の事業部門の売却により200億ドル以上の資金を調達する計画を受け持った。2009年半ばからは一転してプライベートバンク部門を率い、現在その刷新に取り組んでいる。
「再送:シナリオ:米SECのゴールドマン訴追、予想される展開」
2010年4月19日付 朝日新聞電子版
[ニューヨーク 18日 ロイター] 米証券取引委員会(SEC)は16日、サブプライムローン(信用力の低い個人向けの住宅ローン)に絡む債務担保証券(CDO)の組成と販売に関して、投資家に「重要情報」を開示しなかったとして、米ゴールドマン・サックスを詐欺罪で訴追した。
ゴールドマンは、SECの訴追にはまったく根拠はないと反論。法廷で争う意向を示した。
決着には数カ月から数年かかる可能性がある。予想されるシナリオは以下の通り。
<早期決着>
ゴールドマンが早期決着を目指すケース。
同社は、企業イメージへの長期的な影響を回避するため、数億ドルの和解金を支払っても、数カ月以内に和解を成立させたいと考える可能性がある。
ただ、今回の問題は政治的にも大きな問題であるため、ゴールドマンが和解を求めても、SECが和解に応じない可能性がある。
メリルリンチのボーナス支払いに関する情報開示問題で、バンク・オブ・アメリカ(バンカメ)とSECの和解を裁判所が拒否したことは記憶に新しい。
和解が成立した場合も、ゴールドマンが販売した商品で損失を被ったとする顧客が、同社を提訴する可能性は残る。
<法廷闘争の末、ゴールドマンが勝訴>
事実関係の証明には数カ月から数年かかるとみられ、ゴールドマンの経営陣や企業イメージへの影響は避けられない。メディアの追及も厳しさを増すだろう。
ブラウン英首相は、英金融サービス機構(FSA)がゴールドマンを調査することを望むと発言。ドイツ政府もSECに情報提供を求める考えを示した。
ゴールドマンは、今回の問題で多額の賠償金を求められる恐れがあるほか、他の問題の発生を防ぐため、法令順守コストが拡大する可能性もある。
社内の規定を強化することで、収益率が低下する恐れもある。
訴訟が長引けば、自分も被害にあったと感じる投資家からの訴訟が増える可能性もある。
<法廷闘争の末、ゴールドマンが敗訴>
最悪のシナリオは、ゴールドマンが法廷闘争を続ける間に、新たな問題が発覚し、訴追される幹部が増えるケースだ。
顧客からの訴訟も乱立し、和解にも訴訟継続にも、多額の費用が必要になる。刑事訴追の可能性は低いとみられるが、全くないとは言い切れない。
特に企業イメージの悪化を背景に顧客の流出が始まった場合、ゴールドマンは決定的な打撃を受ける恐れがある。
このシナリオを予想する市場関係者は少ないが、この場合、ブランクファイン最高経営責任者(CEO)など経営陣の進退問題に発展する可能性も指摘されている。
<その他の影響>
影響はゴールドマンだけにとどまらない。他の金融機関や金融市場全体にも影響が及ぶ可能性がある。
*金融規制の強化を主張する陣営は、すでに今回の問題を引き合いに出し、デリバティブなど金融商品の規制強化を訴えている。
*他の金融機関に問題が波及する可能性がある。SECは、バーナード・マドフ元ナスダック会長の巨額詐欺事件などで対応が後手に回ったことを批判されており、ゴールドマンの訴追で汚名返上を図りたいと考えている可能性がある。
信頼回復を目指すSECが、ゴールドマンなど大手金融機関にとって、大きなリスクとなる可能性がある。
*最後の<その他の影響>項目の誤字を修正して再送します。
(転載貼り付け終わり)
以上、繰り返しになりまして恐縮ですが、『バーナード・マドフ事件 アメリカ巨大金融詐欺の全容』を皆様にご紹介申し上げました。よろしくお願いいたします。
(終わり)