「宣伝文0005」 『日本のタブー 悪魔の思想辞典〈2〉―むき出しの真実ほど恐ろしいものはない』(副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所編著、KKベストセラーズ刊、2010年12月)が2010年12月16日に発売されました。 古村治彦筆 2010年12月20日
ウェブサイト「副島隆彦の論文教室」の管理人、古村治彦(ふるむらはるひこ)です。本日はこの場をお借りしまして、新刊本の宣伝をさせていただきます。
※『日本のタブー』は、KKベストセラーズのウェブサイトでも販売しております。KKベストセラーズのウェブサイトにある』のページにこちらからどうぞ。
2010年12月16日、副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所編著『日本のタブー 悪魔の思想辞典〈2〉―むき出しの真実ほど恐ろしいものはない』(KKベストセラーズ刊)が発売されました。この本は、副島隆彦先生と弟子たちによる論文集で、第五弾となります。
副島先生の「巻頭の文」は強烈です。「美しい」文学作品が表現している、人間の真実の姿を読み破ること、これがこの文の真骨頂です。人間が本来的に持っている差別意識、身体障害を負った人間と家族の苦しみ、精神障害に苦しむ人々を、川に浮かべた船の上で宗教家たちが世話するが、最後には「伝染病の拡大を防ぐ」という名目で、海に運んで火をつけて沈めてしまう。こういったことは全く語られてきませんでした。
お恥ずかしい話ですが、私はこの副島先生の巻頭の文を読みながら、気が重くなりました。少し気分が悪くなったと正直に書きます。それは、私の中に、「自分も軽度の精神障害があり、他人に迷惑をかけたくないと思いながらも迷惑をかけてしまう。そして、自分は世話をされて、最後には焼き殺される側にいる人間である」という思いがあったからだと思います。そんな思いを掴んで引きずり出されたように感じました。また、私の家族にも身体障害を負った人間がおり、子どものころからそのことで嫌な思いをしてきたことを思い出しました。また、自分も障害を負うことになるのではないかという恐怖感がぬぐい去れないのです。
副島先生の文章を読み、上記のような恐怖感が私を襲いました。このようなことを宣伝文に書いても、気持ちの悪い本だと思われてしまう危険性があると思いますが、やはり正直に書くしかないと思います。人類の歴史は、「痛い」、「苦しい」と叫び続けた歴史だったのではないかと思います。それならば、何も自分だけが痛い、苦しい思いをしているのではない、人間であるならそれが自然であるという考えに至りました。そして、人間は自分の力で生きていけるうちは生き、そうでなくなれば余り苦痛を感じないようにして最期の時を迎えるのが「自然」なのだと思わされます。
「長生きをしなくてはいけない」、「どんな状態になっても、人間の心臓を動かし続けることが最善のことだ」という洗脳がなされていて、現実との折り合いがつかないところに問題があるのだと思います。だから、そんなことで苦しまないためにも、どんなことでも話をする、書く、議論をする、これが非常に健全なことではないかと思います。
副島先生は、次のように書いています。
(引用はじめ)
世の中(世界)は、経済法則、お金の法則で動く。それを無視して、キレイごとを言うべきでない。私はそのように決め得た。常に本当のことを言うべきだ。そうしないと世の中が明るくならない。世の中(人間の世界)は穢(きたな)いことで満ちている。この穢(きたな)らしいことを表に出して語る(書く)べきだ。すなわち、タブー、禁忌(きんき)にされて隠されていることに、びしびしと光を当てる。あえて表に出す。隠し立てをしない。さらけ出す。そうすることが、本当の知識、近代学問(サイエンス)にあり方だ。それに対して、そういう穢らしいことや、醜いことや、恥ずかしいことは隠(かく)すべきだ。わざわざ表に出す必要はない、と言う人々がいる。私はそうは言わない。人々が半ば意識的に隠していることを、故意に表に出すべきだ。そうしなければ、学問や思想の存在する理由(レゾン・デートル)はない。(9ページ)
(引用終わり)
このような考えを持ち、副島先生は、「これが真実であろう」ということを私たちにこれでもかと書いているのです。そして、私は気分が悪くなってしまったのです。それほど破壊力がある文章だと思います。また、その他の文章でも、気の重くなる文章がこれでもかと掲載されています。
本サイト管理人である私も一章(第13章「【ロビー活動】lobby――薄汚いものだがデモクラシーには必要なもの」)を担当しております。私は、「ロビー活動は余りイメージが良いとは言えない。しかし、ロビー活動は実はデモクラシーにとって必要である」、「日本では政治家が地方自治体の長や農協の人たちと一緒に官庁に行き、頭を下げる。国民の代表ではない官僚に、国民の代表である政治家が頭を下げるのはデモクラシー以前の問題だ」という趣旨で書きました。私以外にも、本サイトに文章を発表された経験を持つ高野淳、原岡弘行両氏も文章を書いています。是非、手にとってご覧ください。
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『日本のタブー 悪魔の思想辞典〈2〉―むき出しの真実ほど恐ろしいものはない』(副島隆彦+SNSI副島国家戦略研究所編著、KKベストセラーズ刊、2010年12月)
≪目次≫
[巻頭の文]ヒューマニティーズ(人文)、そしてルネッサンス(人間復興)とは何か (副島隆彦)
この世で隠されている本当のこと
言葉を隠して真実を隠そうとする
文学の世界に隠された差別
ランボー「酔いどれ船」に隠された真実
人類の歴史は病原菌との闘いだった
温泉宿の真実が伝わらない
ルターが始めた、真実を隠そうとするローマ教会への抵抗
自由には「貧乏人たち用の自由」と「金持ちたち用の自由」がある
私、副島隆彦が資本主義の精神のユダヤ先祖返りを解明した
なぜ日本人はヨーロッパが分からないのか――それはメディチ家を理解しないからだ
フィレンツェを理解しないとヨーロッパが分からない
1.【優生思想】eugenics――人口削減思想の生みの親(崎谷博征)
2.【安楽死】euthanasia――安楽死は功利主義から生まれた(石井利明)
3.【薬】drug/medicine――クスリの大部分は疚しさで出来ている(六城雅敦)
4.【不老不死】immortal――魂だけが不死である(足助友子)
5.【金融工学】financial engineering――市場価格を操作する八百長理論(根尾知史)
6.【ポジティブ】positive――ポジティブ思考を解剖する(中田安彦)
7.【論理的思考】logical thinking――論理(logic)とは“連想”である(下條竜夫)
8.【教育】education――教育とは洗脳である(藤森かよこ)
9.【リベラル】liberal――リベラルとは友愛である(吉田祐二)
10.【説明責任】accountability――誰もこの言葉の真の意味を知らない(廣瀬哲雄)
11.【税金】tax――税金は悪であり、廃止されるべきである(佐藤研一朗)
12.【法の支配】rule of law――支配階級の冷徹な意思(中谷央介)
13.【ロビー活動】lobby――薄汚いものだがデモクラシーには必要なもの(古村治彦)
14.【正規分布】normal distribution――平均値という幻想(原岡弘行)
15.【人口】population――本当は恐ろしい「持続可能な社会」(高野 淳)
16.【石油】petroleum / hydrocarbon――石油は生物(化石)起源ではない(桑原義明)
あとがき
執筆者略歴
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※『日本のタブー』は、KKベストセラーズのウェブサイトでも販売しております。KKベストセラーズのウェブサイトにある』のページにこちらからどうぞ。(終わり)