「146」 論文 津波TSUNAMIとは「潮」であるタイダル・ウェイヴTidal Wave「潮波」(しおなみ)(3) 鴨川光(かもがわひろし)筆 2011年7月3日

●山の神の怒り―火砕流(かさいりゅう)とは山の津波である

フルアーマー岡田

 民主党幹事長岡田克也氏は、ご存知の通り、二〇キロ圏内に入るにあたって、完全なる放射線対策で臨みました。


完全重装備の岡田幹事長

ではなく、本物はこっち。

「おいっ!岡田!」


異様な集団
「幹事長、メガネの上、隙あいてますけど」


地域住民「殿!それは危険です!」 
岡田幹事長「もう遅い!」
(幹事長、ついにメガネ上げとる)


地域住民「殿!本当に危険です!」 
岡田幹事長「暑い!おまいらも脱げ」
(服脱いどる。みんな暑かったんだろうな。( *`ω´) )

 見ての通り、岡田さんだけ完全防護服である。この異様な格好で、焼け野原のような被災地を行列になって、その先頭を、のそのそとお歩きになっている姿が国民全体に知れ渡った、

 明らかに岡田さんだけが異常な姿で、この姿を見せることで、放射能に汚染された地域であることを印象付けようとしたとしか思えなかった。ただしそれは失敗。それも分かっていたのだろうか。ただ被災地域の人々にこの姿を印象付けることによって、被災者を脅えさせようとしたとしか考えられない。それには効果的面だったであろう。

 少なくとも、岡田氏のみが臆病な、自分だけ助かろうとしたずるい人間にしか映らなかった。

 岡田氏は、自分がどんなに日本国民の前に臆病で、ずるい人間に見られようとかまわない。被災地に人々に、二〇キロ県内外かに放射能に汚染された危険な地域であるか、ことの事実、真実とは全く無関係に、ただ恐怖を与え、自発的に自分の家に戻りたくない、戻れないという気持ちを植えつけてやろう。レベル七という最悪の評価が与えられたのも、このパフォーマンスを効果的にするのにうってつけだ。

 岡田氏は次のように考えていたのだろう。被災地の福島県民よ。早く散りぢりに成ってしまえ。われわれはお前らなぞ本気で保障しようとは考えていない。ただこの地域をアメリカ軍とアメリカの原子力産業、IAEAにただで売り渡す必要があるのだ。ファウストの一員である私は、臆病な馬鹿のうそつきと見られることぐらいなんでもない、このようなメッセージに聞こえる。(あるいは自分でもばかばかしいと思っていながら、無理にこの格好をやらされたのだろう。)

 上の写真のように、ガンダムに出てくるザクを髣髴(ほうふつ)とさせる重装備を、ただの一人だけが行なって、さらにメガネを上げて肌を露出させるというパフォーマンスは、悪魔に魅入られた人間の所業であろう。原子力業界をはじめとする、世界の様々な利権集団の駒として操られた政治家であることを、自らはっきりと宣言したのである。

 こんな場合政治家なら、そして総理大臣(与党の幹事長も同様)ならば、堂々と普通の格好で被災地に入り、原子力発電所の、最低でも門の前、建屋の中でなくてもよいから、敷地内に入って、生放送で(USTREAMでよいから。総理大臣自身の独自の判断で勝手にやっていいのだ)国民に向かって安全宣言を行なうべきである。天皇陛下の役割もそうだ。イギリスの王室は昔から国民に直接談話を発表して来た。昔ならラジオで演説した。

 亀井静香さんもこの姿には驚き、あきれた模様。

亀井静香

(転載貼り付け開始)

「mns.産経ニュース」から転載

国民新党・亀井代表「防護服姿の岡田幹事長にあぜんとした」

2011.5.11 00:27

 国民新党の亀井静香代表は10日、自民党の大島理森副総裁と会談。亀井氏は民主党の岡田克也幹事長が福島第1原発から半径20キロ圏内の警戒区域を視察したことに触れ、「自分だけ防護服を着て、(相手の)工場長が防護服も何もなしで会う姿を見て大変あぜんとした。心の通いあう政治をやらなくてはダメだ」と批判した。大島氏が記者団に明らかにした。

http://sankei.jp.msn.com/politics/news/110511/stt11051100280000-n1.htm

「msn.産経ニュース」から転載

(転載貼り付け終わり)

 幹事長クラスなら、民主党の見解として何の誓約も無く個人の判断でできるだろう。現地から国民に談話を発表しろ。その正反対のことを岡田幹事長はやった。これは完全に国民を裏切った行為である。自分でもそうわかって、それを分からせようと(自分は国民の利益で働くのではなく、アメリカを中心とした世界の利権集団と官僚と民僚、アメリカ軍、IAEAなどの利益のためだけに働くために使わされたものという意志を国民に伝えようと)を堂々とやった。

 おめでとう 。

●おめでたいのは石原氏―脳の自然な老化

 岡田さんのパフォーマンスで思い出した。もう一人、正直な政治家がいた。このたび都知事に再選された石原慎太郎氏です。当選おめでとうございます。

 石原慎太郎さんのことはもう皆さんご存知だと思いますが、もうあれこれ言ってもしょうがない人なので、大好きな写真だけ紹介しておきます。

 東京都の水が放射能汚染の疑いがあると報道された時、石原氏は政治家として都民を安心させようと、東京の金町浄水場にて水道水を飲むというパフォーマンスを演じた。


放射能は苦そうだな

 放射能に汚染されてるぞといわれて、飲めといわれたら、主婦や子供はこんな顔をするだろう。日本にたまった積年の膿(うみ)どころじゃない、放射能だもの。膿のほうは、石原さんのお望みどおり津波で三万人も洗い流されましたしね。

 パフォーマンスといえば菅さん。一九九六年に起こった岡山県の学校給食での、病原性大腸菌O―157に起因する食中毒事件が起こったとき、原因であるとされたカイワレ大根が安全であることを示そうと、パフォーマンスを行なった時のほうが、もう少し美味そうだった。


無表情だった

 芥川賞作家石原慎太郎さんの文学的比ゆ、つまり本業、天職である(はずの)作家の言葉(文学者の仕事は、いかに比ゆ、アナロジーを天才的感覚で使いこなせるかにかかっている。某出版社のT。お前も俺にそういったよな)としての「日本に積年たまった膿、津波で洗い流された膿」は、津波での死亡者・行方不明者ということになる。

 慎太郎氏の政治家としての会見で述べた、文学的表現、「膿(うみ)」は、太平洋沖何十キロ(何百キロ、あるいは何千キロ)の海底に今も無数の死体となって眠っている。

 石原氏は、初めて知事になった一二年前から、渡部昇一氏や竹村健一氏らと、黒酢か何かをミックスした飲み物を水筒に入れて、常に持ち歩いているのを自慢していた。それから一二年。石原氏はもう八〇になろうとしている。本当にボケが始まったのではないでしょうか。

 ボケといっても、アルツハイマーとか脳軟化症や、病理的に深刻なレベルのことを言っているのではない。老化と共に進む、脳の働きの自然な鈍りが、石原氏の近年の発言に影響を及ぼしているのではないかと私は思っている。

 「石原慎太郎 暴言」でヤフー検索をかけると、それこそ数十年分の無数の石原氏の発言に関するページの候補が上がってしまう。若いころから壮年時代は、それこそ血気盛んで、歯に衣着せぬ発言が、石原氏の政治家としての特色だった。(ネッシーも探しにいったけれど。)

 しかし、今回を含めどうもこの七、八年、知事を務めて二期目当たりから、石原氏の発言はそれ以前のものと比べておかしい。自分で何を言っているのか分からない、大人としての最低限のTPOをわきまえ(られ)ない発言は、石原氏の自然なる老化ではないのか。

 これに加えて、子供のころからずっと庶民感覚からずれた人生を歩んでいらっしゃった人だから、自分が何を言っているのか、パブリック(イン・パブリック、つまり人前で)な言葉として何を言うべきなのか、本当に分からなくなっているのだ。

 この人を都民は再び首長として選んでしまった。東京都民にとって、もう怖いものは無い。放射能、恐るるに足りぬ。カンラ、カンラ。

●都民にとって怖いのは浜岡原発と富士

 東北の方々。石原慎太郎が選ばれました。東京にはもう何も期待出来ることはありません。北国は北国で、東京都はもう何ら関係なく、何も頼らずに生きることが東北の人々のためになることだと思います。

 一方、東京人はもう何も怖いことはありません。あんなボケ老人を選んでしまうのだから、もう何も怖いことはありません。赤信号を渡っても、都民はボケているのだからということで、車は止まってくれることでしょう。東京人自体がボケているのだから、ボケが選ばれるのも仕方がありません。東京都民にとって関心のある選挙はAKBの動向だけ。

 東京の外れ、八王子に住んでいて怖いものは、浜岡原発と富士の爆発だけです。この二つが爆発したらもう終わりです。富士山のほうはちょっと分かりません。予測不可能です。

 

富士山             浜岡原発

 現実的には浜岡原発です。あまり知られていないようですが、浜岡原発のある静岡はこの間の地震でもかなりの被害を受けたようです。

 私の友人で、静岡の富士宮市(焼きそばで有名)で瓦屋をやっている人がいるのですが、今ものすごく忙しいそうです。一年前彼に電話したときは、仕事が少なそうだったのです。震災で東北の瓦屋が少ないという話を聞いたので、早速彼に電話をしてみたのですが、忙しくて東北どころではないという答えが返ってきた。

 彼の話しによれば、静岡は地盤や建物がかなりの被害を受けたようで、今時瓦なんか古いというイメージもありますが、実は需要がかなり多いのだそうです。

 東海沖地震。この間の東北規模の地震が東海沖でも言われて久しい。そこまでいかなくとも、浜岡原発が福島第一原発と同じような予備冷却システムを持っていて、津波や地震に対する対策も似たようなものであったなら、マグニチュード九でなくとも不安材料は大きい。

 半径三〇キロメートル以内に、本当に人体に被害を及ぼすレベルの放射線、放射能が広まったなら、災害に無縁の八王子は、現在の福島の人々と同じことになる。東京二三区もだめでしょう。

 ところが、浜岡原発が止まることが決定した。どこまで本当か分からないが、もし完全に止まったら、私の住んでいる地域は災害とはほぼ無縁である。後は富士山の爆発のみであろう。

●今こそ雲仙普賢岳―火砕流とは「山の津波」である

 富士山が本気で爆発し、巨大な火砕流が発生したら、東京はひとたまりもない。八王子は沈没してしまうであろう。三宅島の比ではない。

 そういえば同じ東京都の大被災である、三宅島のことを完全に忘れていた。三宅島は二〇〇〇年に大噴火した。薄情な東京人の正体がこの私だ。忘れるどころか、三宅島の噴火は宇宙のどこかの話だと今の今まで思っていた。おそらく私の身の回りの人間に、三宅島の災害のことを聞いても「雲仙普賢岳(うんぜんふげんだけ)だっけ?」と言うだろう。「長崎のめがね橋が鉄砲水で壊れたんだっけ?」と言うかもしれない。これは私が冗談で言っているのではない。

 富士山が爆発しても、たかが溶岩がドロドロと迫ってくるだけだ。あんなものが来る前にとっとと逃げてしまえばいいと思っていたが、火山の噴火で怖いのは、溶岩ではなく火砕流(かさいりゅう)なのだ。その後の有毒ガス、二酸化硫黄(にさんかいおう)の恐怖もある。火山弾という巨大な石が大砲の弾のごとく飛んできたりもする。そして火山灰。

 ヴェスヴィオス火山の噴火で滅びたイタリアのポンペイ遺跡が頭に浮かぶ。普賢岳で観測された何十倍、何百倍の火砕流が襲ってくるのだ。

 火砕流。何だそれは、と思っていた。火砕流と言うのは鉄砲水の空気ヴァージョンである。「山の津波」である。


日本人が頭に浮かべる火砕流の映像と言えばこの有名な画像。

http://www.youtube.com/watch?v=vPRoTQYXwuY&feature=related
雲仙普賢岳の火砕流映像

http://www.youtube.com/watch?v=FVnonQyptNI&feature=fvwrel
http://www.youtube.com/watch?v=JVZUmKuG2sA&feature=related
火砕流後の素人撮影の映像(地獄絵図)

http://www.youtube.com/watch?v=bYJhLBzLYIo&feature=related
この映像が、東北の津波時の人々の様子に近い

http://www.youtube.com/watch?v=c5CAyaRIW8s&feature=related
この有名な映像を撮影したモーリス・クラフト、カッチャ・クラフト夫妻は、火山撮影のパイオニアで、この火砕流撮影のために火山に近づきすぎて死亡した。

http://www.nicovideo.jp/watch/sm519799
ニコニコ動画(ログイン必要)から 普賢岳噴火の様子を網羅している

 あらためて見よ、この山の津波の光景を。海から押し寄せた津波の光景と全く同じであろう。違うのは町ではないため、人の姿がほとんど見えないことだ。

 火砕流とはまさに火の津波のことだ。一九九一年当時、普賢岳のこの画像を見た私は、ただの煙じゃねーか、ぐらいにしか思っていなかった。ところが火砕流は煙ではない。火砕流とは「パイロクラスティク(pyroclastic)」という。パイロとは火、熱のこと。クラスティックは、細かく砕かれた岩や石のことである。つまり熱を持った砕石が流れとなって押し寄せることである。

 鉄砲水や津波のように、巨大なダンプが一〇〇キロという猛スピードで、山を駆け下りてくるのだ。そんなもの、少しの間煙にまかれるだけだろうと思ってはいけない。

 火砕流の温度は一〇〇〇度にもなる。火砕流が通った後は、焼け爛れた状態で何も残らない。ガラスも鉄骨も溶けてしまう。津波で押し流された東北諸都市の光景の火のヴァージョンである。水が全てを飲み込むのが津波なら、火が全てを飲み込むのが火砕流なのだ。


火砕流で焼け爛れた校舎
校舎の窓ガラスは溶けてなくなっている


小学校の体育館
鉄骨だけになっている

●一夜にしてポンペイを飲み込んだ火砕流

 海の神と山の神の怒りである。

 火砕流にポンペイはやられた。津波が町を飲み込むごとく、巨大な火砕流が町を飲み込み、一気に廃墟となったのである。伝えられたところによると、当時ヴェスヴィオス火山から、真っ黒い雲が立ち上り、ものすごい勢いで山を駆け下りて、海にまだなだれ込んで行ったという。


普賢岳火砕流が雪崩れ込んだ様子。ポンペイを髣髴とさせる。
富士山ならばこれの何倍もの広範囲に火砕流が及ぶであろう。


この画像が町を飲み込む火砕流としては非常に分かりやすい

 この火砕流に加えて火山弾というのもある。小さい火の玉が飛んでくるだけではない。上記のURLの映像の中には、それこそ何トンも在りそうな巨大な岩が、いくつも落下している光景がある。

http://volcano.instr.yamaguchi-u.ac.jp/bomb.html
「火山弾の種類」というページ
萩市・見島には、いくつもの種類の火山弾が存在している。

●硫酸の雨が降り注ぐ
 
 さらに火山ガスがある。火山ガスとは二酸化硫黄(にさんかいおう)である。こう言ってしまうと、何だ、硫黄か。臭いだけだな、などと感じてしまうが、二酸化硫黄とは「亜硫酸ガス」のことである。つまり硫酸だ。

 この有毒ガスが大量に噴出したため、三宅島は二〇〇〇年の噴火の後、全島避難となってしまったのだ。二〇〇五年にようやく解除されたが、それでもまだ亜硫酸ガスを噴出し続けている。これは放射線の比ではない。

 そしてこの後、火山灰が何年も何年も降り注ぎ、関東地方は一面灰色に覆われてしまうのだろう。

●東京がポンペイとなる日

 富士山は、昔は「休火山、ドーマント・ヴォルケイノ(dormant volcano)」と教えられてきたが、実際には活発な火山活動を行なっているため、現在では「活火山、アクティヴ・ヴォルケイノ(active volcano)」とされている。だから爆発します。

 原発が爆発した時、福島は日本の地図から消えてしまうのではないかと思いましたが、そうならなくてよかった。大丈夫です。でも、富士山が爆発したら、静岡と山梨は日本地図から消えることでしょう。東京・神奈川は数千年住めなくなる。つまり無くなってしまうでしょう。

 平和でボケきった都知事以下東京都民に、いつか山の神(火の神)から本当に天罰が下るであろう。石原知事のおっしゃる「積年たまった膿」の上に、今度は火砕流が襲い掛かり、火山灰に埋もれて数千年間、数万年間眠り続けることだろう。我々が、ポンペイ遺跡で発掘された人々のように、数千年後発掘されることになるかもしれない。

(終わり)